佐藤義清(さとうのりきよ)こと西行(さいぎょう)の和歌を英語にすると 1
日本に来て間もないフランス人の友人に、拙著:『平清盛の盟友 西行の世界をたどる』を贈った。彼は日本語を読むことができないが、この本は全ての見開きページに挿絵(さしえ)代わりの写真が挿入されているので、それらの平安時代を彷彿とさせる写真を見せたくて贈ったのだった。むろん、彼は当然のことながら、"Saigyo"(西行)も知らなければ、"Taira no Kiyomori"(平清盛)も知らない。
彼からの返信には、
「わたしは日本語を読むことはできませんが、美しい写真に魅せられました。そしてSaigyoについてのあなたの説明にただならぬ興味を抱かされ、インターネットで"Saigyo"(西行)の"poem"(詩: 和歌)についての英語の本を調べて取り寄せました。いずれ、その本が私の手元に届くでしょう」
と、書いてあった。
私はとても嬉しかった。 と同時に、
「あ、西行についての英語の本か、それについては、私も調べていなかったな」
と、今更ながらに 気づかされたのであった。
ちなみに、フランス人の彼に送った私の英文手紙 (私がフランス語で手紙が書けなかったのは残念だが、彼とはいつも英語で話している。) の中で、私は、彼が知らないはずの「Waka(和歌)」について、それがどういうものなのかを、次のように私なりに英語で彼に説明していた。
Waka is literally "Japanese poem".
In ancient times, it was a custom between two writers to exchange waka instead of letters in prose.
In particular, it was common between lovers.
Waka consists of five units (often treated as separate lines when Romanized or translated) usually with the following pattern:
5-7-5-7-7. the number of syllabic sounds
For example: Waka of Saigyo's as follows:
JAPANESE TRANSLATION
5; Monomoeba When I think of you
7; Sodeni Nagaruru Brook is streaming on my sleeve
5; Namidagawa Brook of my eyewater
7; Ikanaru Mioni might run through
7; Ouse Arinan you, sweet heart
この英訳は、私自身の拙い(つたない)訳である。
フランス人の友人との英語による交信によって、図らずも、英語を母国語とする人による、西行和歌の素晴らしい英訳を見てみたくてしかたがなくなったのであった。
すなわち私は、英語でどのように西行の詩文(和歌)が表現されているかを、今まで自分が調べていなかったことを彼から暗に諭され、英語表記の西行の和歌について、私自身、彼に続いて調べていくこととなったのである。
・・・・<次回に続く>
Copyright © 2012 Masakazu Ishikawa
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