藝祭 2014 迫力あふれる巨大神輿たちの造形美
上野の森に芸術の秋の始まりを告げる恒例の「藝祭(げいさい)」が9月5日から始まった。
「藝祭(芸祭)」とは、東京藝術大学の学園祭のことである。今年の藝祭の期間は、9月5日(金曜)から7日(日曜)までの三日間であった。藝祭の名物は、各科の1年生たち各科の混成8団体が競って造り上げた神輿(みこし)である。
手前が日本画・邦楽の「白虎」、奥は彫刻・管楽器・ピアノの「九尾(きゅうび)の狐」 Masakazu Ishikawa
藝祭神輿の大賞は上野商店街連合会による投票で選ばれるが、2014年は、日本画と邦楽が制作した「白虎重来捕縛之図」であった。日本画・邦楽チームは、去年も「ナマズを摑む難義鳥(なんぎちょう)」が大賞を受賞したので二年連像の大賞受賞という快挙となった。ちなみに、今年の「虎捕縛」のモチーフは一休さんの問答からヒントを得たものだという。私が「なぜ白虎が波の中から現れているのか」と訊いたところ、青く渦巻いているのは波ではなくて実は雲なのだと言われた。ともあれ、虎の白色と渦巻く雲の青色との色のコントラストはとても綺麗だった。
大賞受賞に喜び胴上げをしあう日本画・邦楽チーム Masakazu Ishikawa
彫刻・管楽器・ピアノの「花魁(おいらん)と九尾の狐」は「六丁目賞」を受賞した。花魁の人体造形はおそらく最も造形的に制作難度が高いように私には思われ、その点はさすが彫刻科がかかわる作品であると感じられた。
彫刻・管楽器・ピアノの「花魁と九尾の狐」 Masakazu Ishikawa
デザイン・作曲の「おどけ獺(かわうそ)」は、中央通り商店会賞とさくらパンダ賞とマケット賞の三つの賞を受賞した。
デザイン・作曲の「おどけかわうそ」 Masakazu Ishikawa
建築・声楽の妖怪大集合は「アメ仲賞」を受賞した。
建築・声楽の神輿 Masakazu Ishikawa
通りを挟む通称「美校(びこう)」と「音校(おんこう)」のキャンパスの中にはそれぞれ様々な屋台が出店しており、ビールやカクテルを飲みながら音楽やオペラなどを聴くこともできる。音校ではオペラなどが聴けるMANTO VINO(マントヴィーノ) と LA VOCE(ラ ヴォーチェ)、美校ではスタイリッシュなISSYUUが私の好みであった。ちなみにISSYUUは「一蹴(いっしゅう」のことで藝大サッカー部が運営する店である。
ISSYUUで顧客対応をする杉江代表(左・黒シャツの男性) Masakazu Ishikawa
スタイルにあふれた、ISSYUUの店内 Masakazu Ishikawa
手作りの作曲家シールを売っている店があったので、私はBACH(バッハ)のシールを買い求めた。
作曲家52人のシール 1枚200円 Masakazu Ishikawa
私の考えでは東京で一番強いパワースポットは上野の山の上だと思っているが、そのパワースポットの中心が藝大から東京国立博物館にかけての地帯だと思っている。その藝大が最も熱いパワーを放散する時がこの藝祭であることはまずまちがいないだろう。
Copyright © 2014 Masakazu Ishikawa
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